中心静脈ポート（CVポート）造設手術
CVポートとは中心静脈カテーテルの一種で、従来はIVH （中心静脈栄養）と呼ばれていたもので、皮膚の下に埋め込んで薬剤や点滴を投与するために使用します。
CVポートは、100円硬貨くらいの大きさのポート本体と薬剤を注入するカテーテル（チューブ）で構成されています。通常は、首や鎖骨の下の太い血管からカテーテルを挿入し、右または左の胸の皮膚の下に埋め込みます。カテーテルの先端は、心臓近くの太い血管に留置されます。
CVポートには、セプタムと呼ばれるシリコーンゴムがあり、ここに専用の針を刺して薬剤を投与します。薬剤はこのポート本体とカテーテルを通って、血管内に投与されます。
CVポートに向いている方
- 口から食事を摂取することが困難であるが、本人やご家族が「胃ろう」に抵抗がある場合。
- 在宅治療のための点滴ルートや輸血ルートが必要な方。
- 継続的な化学療法（抗がん剤）や高カロリー輸液が必要な方。
CVポートの利点
- 通常の手や腕からの点滴の場合、血管が細いもしくは血管が脆い場合、何度も針を刺し直すことがありますが、CVポートでは１回で確実に針を刺すことができます。
- 皮膚の下に埋め込むので外見上あまり目立たず、日常生活にほとんど支障はありません。お風呂や温泉にも入れます。
- きちんとした管理をすれば感染率も低く、数年にわたって長期間使用することができます。
- 留置した後でも不要になれば、短時間の処置で容易に抜去することができます。
CVポートの欠点
- カテーテルやポート本体に菌がついて感染を起こすことがあります。そのほかカテーテルに血栓が付いたり、カテーテルの逸脱や損傷を起こすこともあります。
- あまり多くはありませんが、カテーテル挿入時に合併症（血腫や肺を傷つける気胸など）を起こすことがあります。
医療機関様へ
経口摂取不良の高齢者の栄養管理は、従来は胃瘻（PEG）でしたが、近年CVポート（IVHポート）による経静脈栄養も重要な栄養管理方法となってきております。多くは病院の外科医師が担当されていると思いますが、昨今の外科のマンパワー不足の中で大きな負担になっているかと推測されます。
当クリニックでは、ご依頼頂ければ可能な限り迅速に対応させて頂きますのでご紹介をお待ちしております。